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20Wと40Wどっちが明るい?今さら聞けないワットと明るさの関係
- 2015年03月02日 更新
- 電飾看板
20Wと40Wどっちが明るい?
突然ですが、
20Wと40Wの照明器具ではどちらの方が明るいでしょか?
W(ワット)は、消費電力のことですね。
一見すると40Wの方が明るいとお思いの方も多かったと思います。しかし、正解は、
「どちらが明るいかは分からない」です。
もし、一般的な蛍光灯の場合、当然、20Wより40Wタイプの方が明るくなります。
同様に水銀灯でも250Wより400Wの電球の方が明るくなります。
これだけ聞くと、消費電力・W(ワット)が大きい方が明るくなると思われがちですが、同一器具なら正解ですが、違うタイプの器具と比べる場合、必ずしも消費電力の多さが明るさの大きさになるとは限りません。
普及してきたLED照明
最近は至る所で目にするようになったLED照明。
LED(light‐emitting diode)は電気を流すと発光する半導体で新しい光源として爆発的に普及しています。皆様の身近なところでは、家電量販店などで売られているLED電球が馴染みが深いかと思います。
そのほかにも、信号機や車のヘッドライト、踏み切り、テレビや携帯電話、イルミネーション装飾や植物育成にもLEDが使用されています。
電気で光る看板、電飾看板の中にもLED式の電飾看板が登場しています。
LEDの特徴
LEDには以下のような特徴があります。
- 省エネ性
- 即時対応性
- 長寿命
- 低温箇所に強い
- 衝撃に強い
- 有害物資を含まない
- 熱が少ない
- 可視光域以外の波長をほぼ含まない
消費電力の少ないLED照明
LED電球の場合、従来の発熱電球に比べ消費電力を大幅に下げることができます。
例えば、40Wの白熱電球と同等の明るさを持つ最新のLED電球は、4.9W(※)で済みます。およそ、87%も消費電力を抑えることができます。
※東芝ライテック製 イー・コアLDA4N-G/40Wの場合
これが冒頭の質問にあった、40Wと20W、どちらが明るい?という質問にもつながりますが、この発熱電球の場合、40Wと4.9Wで明るさは同等ということになります。
つまり、消費電力だけ比べてみてもどちらが明るいかとは言えないわけですね。
では、どのように明るさを比べれば良いのでしょうか?
明るさを示す単位は何でしょうか?
全光束
照明器具における明るさの基準は全光束です。
単位は、ルーメン(lm)になります。
このルーメン値がワットの代わりに明るさの単位として、照明器具の明るさを知る際の基準になります。
全光束とは
全光束(ルーメン、単位:lm)とは、光源から全方向に放射される「光の束」、光の量を表す単位です。
光の量と聞くとピンとこないかもしれませんが、光源から放射される光を糸に見立てて考えるとイメージしやすいかもしれません。無数に放たれる光の糸(線)の量を定義したものが光束になります。
発光効率
また、消費電力とルーメン値が分かると発光効率を求めることができます。
単位は、lm/w(ルーメンperワット)
発光効率は、消費電力1W当たりにどの程度の光束があるのかを求めるので、文字通り、電気を光に変える効率の良し悪しを表したものになります。
この数値が高くなれば、より発光効率が高いという事になります。
電球の発光効率を調べてみる
発熱電球の場合、日本工業規格(JIS)において、40W型の全光束は485ルーメン、 60W型の全光束は、810ルーメンと定められています。
白熱電球の全光束485ルーメンを消費電力40Wで割ると1W当たりのルーメン値(lm/w)が求められます。
白熱電球の発光効率
485(lm)÷40(W)=12.1(lm/W)
発熱電球40Wの発光効率は12.1(lm/W・ルーメンperワット)になります。
一方、発熱電球40W相当の明るさ(485ルーメン)をLED電球の場合、消費電力が4.9Wで済みます。この場合の発光効率は以下の通りです。
LED電球の発光効率
485(lm)÷4.9(W)=98.9(lm/W)
40W相当のLED電球の発光効率は98.9(lm/W・ルーメンperワット)になります。
比べてみると一目瞭然ですが、発熱電球の発光効率が12.1なのに対し、LED電球は、98.9と発光効率に圧倒的な違いがあります。
これが何分の1(または、何十分の1)という消費電力で同等の明るさが出る根拠です。
※厳密には照射角度など光の広がり具合によりまったく同じ明るさ(広がり)にはならない場合があります。
全光束を確認しよう
上記の通り、全光束の値、ルーメン値を知れば、その照明器具が明るいのかどうか、または別の器具に比べて発光効率が良いのかどうか分かります。
特にLED照明の場合は、低消費電力(省エネ性能)ばかりがピーアールされますが、消費電力だけでは照明器具の性能を計り知ることはできません。
もし、LED照明のセールスが来たら、消費電力だけでなく、「ルーメン値は?」、「発光効率は?」と聞いてみると詳しい人だと思われるかもしれませんね。
いかがでしたでしょうか。
LEDの普及で「消費電力が高ければ明るい」ということはないと分かっていても、なかなか全光束(ルーメン値)まで知らない方も多かったのではないでしょうか。
よく、照明をLEDに変えたら暗くなったとか思ったほど明るくなかったとか、従来の白熱電球しかなかった時代は20W、40W、60Wなどの消費電力でだいたいの明るさをイメージすることができましたが、LED照明では明るさをイメージすることが難しくなったように感じです。
そんな時にも全光束を比較すれば、おおよその「明るさを比較」することができます。
皆様のLED照明選びの参考になれば幸いです。
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