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看板に使われる素材ってどんなのがあるの?
- 2015年11月09日 更新
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看板を購入するにあたって気にすることはなんでしょう。
見た目の形スタイルはもちろん、寸法サイズ、重量など、まずは施工や設置を意識して外見的にイメージとぴったりとなるかどうかをお考えになるでしょうか。
そうした選択の際に意外に見落としがちなのが看板の素材です。
同じ色遣いカラーの看板でも金属製と樹脂製では見た目も重量も違います。届いてからイメージと違ったというふうにならないよう、購入の際は材料のスペックも是非チェックなさってください。
今日は、こうした看板に使われている素材について見ていきます。
清掃やメンテナンスの際にご注意頂きたいことも併せて述べさせていただきますので、これから購入をお考えの方も、ご購入済みの製品がある方もご一読いただき看板のお手入れにお役立てください。
看板の素材(材質)の種類
スチール
スチールは大雑把に云えば鉄です。
丈夫ですし、マグネットが付くなどの利点があります。サインや看板で使われてるスチールは表面処理が施されているものがほとんどです。
屋外用は特に錆を防ぐよう造られていますが、それでも表面の細かな傷から内部が腐食することはあります。
日頃のケアは、水滴やホコリをこまめに取り除くことが一番です。鉄というと、つい強いイメージがあり、汚れも強く擦ってしまいがちですが、塗装やメッキをいたわり、たわし等で傷つけないことも大事です。
錆が表面に浮いてきてしまった場合は、市販の錆取り剤で軽く磨いてそれ以上の錆の進行を防ぐようにしてください。
筐体の主要個所にスチールが使われている看板の一例
ステンレス(SUS)
ステンレスは丈夫な合金で強靭な保護皮膜を持ちます。
名前の通り錆しらずで耐食性に優れていますが、けして錆ないわけではありません。実際には、空気中の僅かな鉄粉が付着してそこから錆が発生するケースがほとんどです。
メンテナンスとしては、この鉄粉を含んだホコリを取り除くことです。もし錆が付着してしまった場合は、極微量のクレンザーで拭きとることで錆を落とすことができます。
ヘアライン処理のある素材に対しては、その方向に沿って磨くようにしてください。砂やホコリを払ってから作業を行ってください。
筐体の主要個所にステンレスが使われている看板の一例
アルミ
アルミはステンレスと同様に錆に強い材質ですが、ステンレスよりも柔らかい素材です。
身近な例ではアルミ缶やアルミサッシを想像いただければと思います。一円硬貨もアルミ製ですし、最近ではスマートフォンの外装にもアルミが使われている場合があります。
純度の違いや、鋳造と鍛造といった製法、加工でも削り出しなど様々な手法があり、用途や製品にあわせ軽さや強度の調整をします。
実際のサイン看板に使われているものは、それに加え構造や形状等の工夫で強化がなされています。それでもある程度は表面の柔らかさはありますので、極力ぶつけたりはなさらないほうが良いかと思います。
日頃のメンテナンスは他の金属と同様に、砂やホコリを払った後、水滴を取り除くように乾拭きをするだけで充分です。
汚れが目立つ場合は、中性洗剤を水に薄めたものをスポンジや柔らかい布に含ませ、拭き取るようにします。
筐体の主要個所にアルミが使われている看板の一例
木材・合板・集成材
木は水に弱い素材です。
表面処理が施されていても水分は大敵です。水滴が残ったままで放置すると染みだけでなく、そりや割れの原因となります。またカビの発生や腐食にもつながります。
サイン看板に使用される木材は耐久性のある処理が施されている場合が多いですが、日頃から水滴をこまめに取り除くことで永くご使用いただけます。
ワックスがけで長持ちさせることも出来ますが、塗装や表面処理方法で合わないワックスもありますので注意が必要です。
木材はそれ自体が経年変化で変色することもあります。それが木材の味とも云えますので、できるだけ大切に使っていただければと思います。
筐体の主要個所に木材が使われている看板の一例
アルミ複合板
アルミ複合板は発泡材をアルミ等の金属でサンドイッチした素材です。
主に看板の板面として使われます。軽いうえに強く、劣化しにくい特徴があります。
加工も容易で、コツさえつかめば市販のカッターナイフで綺麗に断裁することもできます。
耐久性が高く平滑性に優れているため、印刷やメディアの貼り合わせといった製作側の作業効率にも寄与します。表面に印刷を施して設置するだけでも看板として充分に機能します。
防火性のあるものも販売されており、近年多くの現場で使用されています。よく耳にするアルポリ(アルポリック)などの名称は商品名です。
汚れは拭き取るだけでほとんどメンテナンスいらずです。
製品の一部にアルミ複合板が使われている看板の一例
アクリル板
アクリル板は看板材料として古くから使われている素材です。
こちらも板面として使用され、内照看板にも多く使用されています。透明性と耐衝撃性に優れた合成樹脂で、その透明性を活かして水族館の水槽に使われるなど、いまなお加工技術も進化しています。
看板に使われるものは乳半または透明の板がほとんどです。最近は少なくなってきましたが、様々なカラーで色付けされたアクリル板もあります。
メーカーや製法によって特に表面の違いがありますが看板として日常で使う分にはそれほど意識する必要はありません。
アクリル板は丈夫な素材ですが、あまり強く擦ると表面が曇ったり割れることもあります。 お手入れの際は表面を傷つけないよう表面のホコリを払った後、コンパウンドやクレンザー等の研磨剤は使わずに、柔らかい布や眼鏡拭き等で軽く磨くか、中性洗剤で洗うようになさってください。
製品の一部にアクリル板が使われている看板の一例
塩ビ板
看板の印字面に多く使われている材料です。
薄いフィルム状のものから板状のものまでたくさんの種類があります。使い勝手がよく加工もしやすいことから内照看板への貼り合わせや保護材としても使われています。
筐体として使用されることもありますので、詳細は下記、ポリ塩化ビニル・塩化ビニル(PVC)をご参照ください。
製品の一部に塩ビ板が使われている看板の一例
「プリントメディアスタンドPHX-123」パソコン出力のメディアがサインスタンドに、メディアを挟む面板は扱いやすい透明塩ビ板
ポリカーポネート
印刷メディアなどの粘着剤での施工に不向きなこともあり、看板の板材として利用されることはあまりありませんが、最近は表面加工が施された材料もあります。
工業材としては、ABSの5倍の強度と云われておりプラスチックの中でも非常に堅く加工性にも優れていることから工業製品から日用品に至るまで幅広い用途に使用されています。
身近な例ではスマートフォンの外装としても使われています。
たいへん優れた素材であるのですが溶剤には劣化しますので、お手入れの際は通常の清掃程度に留めておくのが良いかと思います。
製品の一部にポリカーポネートが使われている商品の一例
ポリエチレン(PE)・ポリプロピレン(PP)・ポリスチレン(PS)
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンは、いずれも代表的なプラスチックで、日用品や緩衝材等、身の回りで多く使われている素材です。
プラスチックですので熱にはやや弱いのですが、直接的に燃やす等しない限り日常生活の範囲では大丈夫です。
小さな傷は、市販の補修材(パテ)で修繕が可能です。汚れが目立つ場合は、中性洗剤を水に薄めたものをスポンジや柔らかい布に含ませ、拭き取る様にします。洗浄後は良く乾燥させてください。
顔料が含まれていたり塗装されている製品もありますので、アルコールで拭く等、変色の原因となることは避けるようにしてください。また、冷暖房の空調設備付近(熱風・冷房の直接当たる場所)には設置しないでください。
下記は一般的な特徴です。
原材料はメーカー各社により製法が異なりますので、目安となさってください。
- ポリエチレン(食品容器、キャップ、ポリバケツ等)
- 防水性に優れる。
- ポリプロピレン(フィルム、クリアホルダー、文具等)
- 硬質でありながら折り曲げに強い。絶縁性が高い。
- ポリスチレン(各種容器、プラモデル、玩具等)
- 落下すると割れやすい。
製品の主要個所にポリエチレンまたはポリプロピレンが使われている看板の一例
ポリ塩化ビニル・塩化ビニル(PVC)
一般に塩ビと呼ばれている素材です。
水道管やサッシ、印刷フィルムや養生シート、玩具、鞄、衣類等、身の回りで多く使用されています。
強度や柔軟性、耐水性、耐薬性等に優れており、使いやすさで用途が広がっています。軟質塩ビを他のプラスチック製品と接触させ続けるとブリード(移行)が起こることがあります。筆箱の中で消しゴムと定規がくっついてしまった経験があるかと思いますが、それと似た現象です。
塩ビ製品を洗浄する場合は、中性洗剤を水に薄めたものをスポンジや柔らかい布に含ませ、拭き取る様にします。
廃棄の際は各自治体の条例に従い処理してください。
製品の主要材に塩ビが使われている商品の一例
作業現場の危険表示に使う軟質塩ビテープ
EVA樹脂
EVA樹脂は玩具やバスマット等にも使われる耐久性耐水性の高い素材です。
低温下でも硬化せずゴムと似た性質を持っています(柔らかいです)。ストレスクラック(応力亀裂)に強い(曲げたりしても割れない)ので全体が破損することなく継続使用が可能です。
水にも強く表面二次加工のない限り、水洗いが可能です。トルエンやベンゼン、シンナー等の溶剤系の洗剤を用いると劣化が早まります。
汚れが目立つ場合は、中性洗剤を水に薄めたものをスポンジや柔らかい布に含ませ、拭き取る様にします。
洗浄後は良く乾燥させてください。
筐体の主要材にEVA樹脂が使われている製品の一例
寒冷地でも優れた復元力を誇るカラーコーン
ポンジ(ポリエステル)
代表的な合成繊維のひとつでポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を糸状にしたものがポリエステル繊維です。
製造各社で様々な製法がありますが、洋服等に多く使われていますので、非常になじみの深い素材だと思います。
ポンジもポリエステル繊維の一種です。
種類が豊富で一概には云えないのですが、長期間たたんだままにしておくと折り目の線が付くことがあります。
使われる染料も様々ですが、一般に色移りしやすい傾向があります。
サイン看板用途で使われているものは、洋服とは違い、洗濯ネットを用いても洗濯機で洗えないことがありますので、あらかじめご確認ください。
筐体の主要材にポンジが使われている製品の一例
ターポリン
ターポリンはポリエステル繊維を軟質塩化ビ(PVC)樹脂フィルムでコーティングしたビニール素材です。
屋外で使える布素材として重用されています。印刷メディアとしての用途以外にも、縁日等で使われる簡易テントもターポリンで制作されている場合があります。
英語のtarpaulinは防水布と訳され、元々テントやタープに使われる生地の意味合いでした。
防水布ですので、水洗いが可能です。ただし、印刷物に関しては、使われているインクの種類にも因りますが洗剤は使わないようになさるのが良いかと思います。
強く擦ると色落ちしてしまう場合がありますし、また、生地の密度に因っても強度に違いがあります。
強く擦ることで表面のコーティングを傷つけ劣化が早まってしまうこともあります。
筐体の主要材にターポリンが使われている製品の一例
いかがでしたでしょうか。
今回は看板に使われる素材・材質について取り上げました。素材によって特徴が異なりますので看板を選ばえる際にはぜひデザインや形状と合わせて材質も確認されることをオススメいたします。
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